1)c-myc遺伝子を過剰発現している肺小細胞癌細胞株NCI-H82細胞を材料としてc-mycアンチセンスDNA(10μM)とall-trans-レチノイン酸(1μMおよび10μM)の併用添加が細胞増殖に対して示す効果を検討した。同時に、c-myc遺伝子発現に対して示す効果をノーザンブロット法およびウエスタンブロット法で検討した。 2)c-mycアンチセンスDNAとall-trans-レチノイン酸の併用は、c-mycアンチセンスDNA単独あるいはall-trans-レチノイン酸単独に比して、NCI-H82細胞の増殖を相加的に抑制した。 3)c-mycアンチセンスDNAとall-trans-レチノイン酸の併用は、c-mycアンチセンスDNA単独あるいはall-trans-レチノイン酸単独に比して、NCI-H82細胞のc-myc mRNA発現を相加的に抑制した。このc-myc mRNA発現に対する相加的抑制効果は細胞増殖抑制効果と一致した。 4)c-mycアンチセンスDNAとall-trans-レチノイン酸の併用は、c-mycアンチセンスDNA単独あるいはall-trans-レチノイン酸単独に比して、NCI-H82細胞のc-mycタンパク質発現を相加的に抑制した。このc-mycタンパク質発現に対する相加的抑制効果は細胞増殖抑制効果と一致した。
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