研究課題/領域番号 |
08670654
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石井 彰 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (30272553)
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研究分担者 |
高石 敏昭 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (40154736)
平井 浩一 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (10156630)
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キーワード | 遅発型喘息反応 / マウス / W / W^V / 肥満細胞 |
研究概要 |
肥満細胞は遅発型喘息反応の発現に必要か否かを肥満細胞欠損マウスを用いて検討した。肥満細胞欠損マウスW/W^V、非欠損マウス+/+をアラムとともにOAで腹腔内感作し、OA抗原による吸入誘発を行い、経時的に気道抵抗を測定し、遅発型喘息反応の発現の有無を確認した。同時に採血、BALFの採取,肺組織の検討も行った。気道抵抗の測定は、マウスをペントバルビタールで麻酔し気切挿管し、人工呼吸管理下にボデイプレチスモグラフボックスを用いて測定した。+/+マウスではOA吸入直後と吸入後5-8時間後に有意な気道抵抗の上昇を認めた。W/W^VマウスではOA吸入直後の有意な気道抵抗の上昇は無いが、5-8時間後には+/+程ではないが気道抵抗の上昇傾向を認めた。いずれも遅発相に一致してクララ細胞の増殖や気道上皮剥離などの気道上皮障害所見を認め、BALF細胞では遅発相に一致して好中球の有意な上昇を認めた。非感作+/+マウスから非感作W/W^Vマウスに骨髄移植し、OAをアラムとともに腹腔内感作し同様に吸入誘発を行った結果では、即時型反応と遅発型反応の両方が認められ、遅発型反応の強さは+/+と同程度であった。上記結果より、マスト細胞欠損マウスでも、マスト細胞非欠損マウスと比べ軽度ではあるが、遅発型反応が起こり、その際の病理学的変化はマウス細胞非欠損マウスと同様であり、マスト細胞は即時型喘息反応には必須であるが遅発型反応には必ずしも必要ではない事が示唆された。
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