研究課題/領域番号 |
08670654
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石井 彰 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (30272553)
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研究分担者 |
平井 浩一 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (10156630)
高石 敏昭 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (40154736)
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キーワード | マスト細胞欠損マウス / T細胞欠損マウス / 遅発型反応 / I型アレルギー |
研究概要 |
肥満細胞欠損マウスW/Wv、非欠損マウス+/+をOA抗原で感作し抗原吸入誘発すると、+/+では即時型反応と遅発型反応が認められ、W/Wvでは即時型反応は起こらないが遅発型反応は弱いながらも認められた。この結果より肥満細胞は遅発型反応の発現に必ずしも必要ではないが、その程度には影響を与えている可能性か示唆された。また、このことは従来から論争の的であった遅発型反応の発現に対する1型アレルギーの必要性に関して否定的な結果となった。では遅発型反応の発現で主要な役割を演じている細胞は何か?この疑問を解明するため、さらにT細胞の役割に関して検討した。T細胞欠損マウス、非欠損マウスをOA抗原で感作し、抗原吸入誘発を行なったところ、T細胞非欠損マウスでは通常の遅発型反応が認められ、欠損マウスでは遅発型反応は非常に弱かった。T細胞欠損マウスに感作T細胞を移入したところ、抗原誘発により遅発型反応が起こった。この結果よりT細胞は遅発型反応の発現に重要であると考えられた。従来の研究では各種細胞やサイトカインを用いてそれぞれの役割を検討した報告は多いが、実際の即時型反応から遅発型反応へと続く流れの中で直接に各細胞やサイトカインの役割を検討した報告はない。本研究により遅発型反応に対する1型アレルギーの役割も含め遅発型反応の発現機序が明らかになったと思われる。
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