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1996 年度 実績報告書

肺線維症における細胞増殖と癌化機構の研究

研究課題

研究課題/領域番号 08670666
研究種目

基盤研究(C)

研究機関九州大学

研究代表者

原 信之  九州大学, 医学部, 教授 (90038802)

研究分担者 高山 浩一  九州大学, 医学部, 助手 (50274444)
川崎 雅之  九州大学, 医学部, 助手 (90264051)
桑野 和善  九州大学, 医学部, 講師 (40205266)
中西 洋一  九州大学, 医学部, 講師 (20172356)
キーワード癌抑制遺伝子p53 / 肺線維症 / 肺癌 / Fas・Fas Lシステム / アポトーシス
研究概要

肺線維疾患者に肺癌が多発することは知られているが、その機序は不明である。我々は、肺線維疾患者からの生検材料を用いて、その機構を分子生物学的な検討を加えた。
1)14人の肺線維症患者から得た肺組織を癌抑制遺伝子であるp53およびp21の抗体を用いて免疫染色を行った。p53は全例、p21は9例が陽性を示し、過形成を示す気管支上皮や肺胞上皮細胞にp53とp21の過剰発現がみられた。また、これらの細胞の多くはTUNEL染色も陽性を示し、アポトーシスが誘導された。これらの所見は、慢性の炎症に伴い気管支や肺胞上皮にDNA障害が起こりp53やp21が発現したものと考えられるが、このp53が発癌に関連するmutant typeであるかどうかは今後PCRを用いて検討を加える予定である。対照として肺癌の手術で摘出した肺と肺気腫患者の組織のp53とp21の発現を調べたが、殆ど検出されなかった。
2)肺癌合併肺線維症7例と非合併肺線維症8例の組織を用いてアポトーシス関連因子Fas抗原の免疫染色を行った。両群とも80%以上の症例で気管支、肺胞上皮が陽性を示し、Fasの発現を認め、またTUNEL染色でも陽性を示しアポトーシスの誘導を認めた。しかし、癌組織にはFasの発現は認めなかった。また、Fas LをmRNAのレベルでPCRそ用いて測定したが、リンパ球(T細胞)に主に発現がみられた。従って、気管支や肺胞上皮はFAS-Fas Lシステムを介したアポトーシスの誘導が起こるが、癌細胞ではFasの発現がないためにアポトーシスが誘導されず、細胞の癌化ならびに増殖に関連するかも知れない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Kawasaki M: "p53 immunostaining predicts chemosensitivity in non-small cell lung cancer:a preliminarg report" The Cancer Journal from Scientic American. 2. 217-220 (1996)

  • [文献書誌] Takayama K: "Bcl-2 expression as a predictor of chemosensitivity and suruiral in small cell lung cancer." The Cancer Journal from Scientic American. 2. 212-216 (1996)

  • [文献書誌] Kuwano K: "p21 and p53 expression in association with DNA strand breaks in idcopathic pulmonary fibrosis" Am J Respir Crit Care Med. 154. 477-483 (1996)

  • [文献書誌] Hagimoto N: "Apoptosis and expression of Fas 1 Fas Lagand mRNA in bleomycin-induad pulmonary fibrosis in mice" Am J Respir Cell Mol Biol. 16. 91-101 (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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