研究概要 |
1.本年度の研究実績 (1)低分子量Gタンパク質(p24^<rab>)DNA組み込みバキュロウイルスの作成 p24^<rab>をコードするcDNAを組み込んだプラスミドベクターを米国デンバー市National Jewish Center for Immunology and Respiratory Medicine,Dennis R.Voelker Ph.Dより供与を受け、バキュロウイルス用プラスミドベクター(pBlueBacHisA)に組み込み、Sf9インセクト細胞に感染させウイルスを増殖させた。 (2)p24^<rab>に対するポリクローナル抗体作成のための免疫源作成 a.合成ポリペプチドの合成。ポリペプチド合成機を使用してC端より20アミノ酸残基配列に応じたポリペプチドを合成した。 b.上記のSf9細胞よりN端に6個のヒスチジンの結合したリコンビナントタンパク質をNiアフィニテイーカラムを用い、精製した。 (3)α-toxinによるpermeabilized II型細胞モデルを作成。S.aureus(EV76株)よりα-toxinを精製し、II型細胞の細胞膜に小孔を開けた。しかしホルボールエステルによるサーファクタントの分泌活性は正常細胞に比し著明に低下しており、分泌機能を検討するためにはさらに改善が必要と考えられた。 2.次年度の研究予定 (1)上記で作成した合成ポリペプチドとリコンビナントタンパク質を用い、ポリクローナル抗体を作成する。この抗体を用い肺組織内でのp24^<rab>の発現細胞およびII型細胞小器官での局在を検索する。 (2)cDNAプローブを作成しインサイトハイブリダイゼーションでmRNA発現細胞を検討する。 (3)α-toxinおよびエレクトロポレーターで培養II型細胞に小孔を開け、抗体を細胞内に導入し細胞機能の変化をサーファクタントおよびライソザイム分泌の点で観察する。
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