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1998 年度 実績報告書

糖尿病における末梢神経再生障害機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 08670703
研究機関滋賀医科大学

研究代表者

寺田 雅彦  滋賀医科大学, 医学部, 助手 (00227521)

キーワード糖尿病性神経障害 / アポトーシス / 後根神経節 / 坐骨神経 / Cdk5 / p35 / ERK / JNK
研究概要

我々は今までに、糖尿病(DM)ラットの神経再生障害の一因に神経再生に先行するワーラー変性の遅延があり、それに細胞骨格蛋白の一つであるニューロフィラメント(NF)のC末端のリン酸化の亢進が関与すること、さらにNFをリン酸化するキナーゼのうちCdk5/p35,ERK,JNKがラットの末梢神経系(後根神経節(DRG)、坐骨神経(SN))に存在しキナーゼ活性を有していることを既に報告した。そこで今回我々はDM状態でこれらのキナーゼの活性化が起こる否かを明らかにするため、DMラットのDRG,SNにおけるCdk5/p35,ERK,JNKの発現量と活性化状態をそれぞれのキナーゼに対する特異的抗体を用いたウエスタンブロット法で検討した。
(1) DMラットの作製:SDラットにストレプトゾシン50mg/kgを尾静脈から注入し、高血糖(350mg/dl以上)を確認後2、12週に、対照ラットとともに実験に用いた。
(2) 各キナーゼの発現量に関する検討:2、12週でDRG,SNのCdk5,p35,ERK2,JNK1の蛋白発現量に、DMと対照ラット間で差はなかった。
(3) ERK,JNKの活性化状態に関する検討:活性型ERK,JNKに対する特異的抗体を用いて(2)と同様の検討をしたところ、12週DMで活性型ERK,JNKは対照に比べて増加していた。
以上より、DMラットの末梢神経系ではMAPキナーゼカスケードが亢進している可能性が示唆された。ERK,JNKはNFのC末端をリン酸化し、さらにJNKはアポトーシスと密接な関連を有することから、DMで惹起されたMAPキナーゼカスケードの亢進がNFの過剰なリン酸化とアポトーシスを介して神経細胞を障害している可能性があり、新しい糖尿病性神経障害の成因として興味深い。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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