研究概要 |
平成8年度研究実績【新生ラット脳由来オリゴデンドロサイト(oligodendrocytes;OL)に対するプライオトロフィン(pleiotrophin;PTN)の細胞生物学的効果の検討】 方法:新生Wisterラット(P1)全脳より混合グリア細胞(5X10^5cells/brain)分離し、poly-L-lysineでコートした直径9mm円形カバーグラス上に2X10^4cels/60μlとなるように5%FBS添加Dulbecco's modified Eagle medium(DMEM)で分散藩種し、37℃,5% CO_2/95% airで48時間培養した。細胞を洗浄し、各種成長因子(PTN,midkine,bFGF,PDGF-AA at 100 ng/ml cach)と10μM bromodeoxyuridine(BrdU)を添加した無血清培血DM4(DMEM,2μg/ml insulin,10μg/ml transferrin,300 pM triiodothyronine,30nM sodium selenate,50nM hydrocortisone,20μg/ml heparin)にカバーグラスごと移して72時間培養後,抗A2B5,GD3,O4,O1,galactocerebroside(GalC),Glial fibrillary acidic protein(GFAP),BrdU抗体を用いて免疫二重染色を施行した。結果・考察:成長因子無添加コントロール群で、O4^+ or O1/galactocerebroside(GalC)^+OLの95%以上がBrdU陰性で高分化型形態を呈し、各種成長因子添加により増殖促進(BrdU取込み)は認められなかった。これは今回実験で用いた無血清培血DM4のinsulinことが原因と推察される。現在DM4のinsulin濃度を50ng/mlに減量して再度、PTN等各種成長因子の培養新生ラットOLに対する増殖促進効果を検討中である。
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