研究課題/領域番号 |
08670739
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
小西 吉裕 川崎医科大学, 医学部, 助手 (90170290)
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研究分担者 |
国下 龍英 国立精神, 神経センター神経研究所, 室長 (40167383)
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キーワード | アルツハイマー病 / コリン作動性神経 / コリンアセチル転移酵素 / インターロイキン3 / IL-3受容体 / アセチルコリン / サイトカイン |
研究概要 |
アルツハイマー病脳では、コリン作動性神経細胞の変性脱落が見られ、そのコリン作動性神経細胞よりの株化細胞株を用いて、サイトカインの反応性、サイトカイン受容体の発現動態、コリンアセチル転移酵素遺伝子制御や細胞内シグナル伝達系への影響などについて、家族性早発性アルツハイマー病で高頻度でみられるプレセニリン異常を導入した形質転換細胞株での特徴をみるのがin vitroでの3年間の目的である。本年度は、導入前のコリン作動性神経細胞株、SN6、SN49についての上記のcharacterizationを中心に行われた。 我々はインターロイキン3(IL-3)がコリン作動性神経細胞の栄養因子であることを以前報告しており、IL-3を中心として検討を続け、IL-3添加が、細胞内アセチルコリンを増加させることをHPLC-ECDシステムで、コリンアセチル転移酵素mRNAの発現を増加させることをNorthern blot解析で、IL-3受容体α鎖、β鎖mRNAの発現を増加させることをRT-PCRで証明した。現在、コリンの取り込み、コリンアセチル転移酵素遺伝子プロモーターの活性化を検討中である。 in vivoでは、とくにIL-3とIL-3受容体β鎖のダブル・ノックアウトマウスの脳の異常の解析をめざしているが、ノックアウトマウスの輸入手続きが大幅に遅れ、現在手続き中である。 実際のアルツハイマー病脳での種々のサイトカインやその受容体のmRNAレベルの変化については、本年度は脳の収集からmRNAの抽出分離したほか、RT-PCR分析のために、種々の情報からprimerの選定、合成をし、PCR産物の同定のため(Southern blot解析)のcDNAプローブは、日本全国のそれぞれのサイトカインの専門家より供与を受け、ベクターに組み込まれた形のものをプローブとして適切な形にした。現在、定量化して明確にすることも検討中である。
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