研究概要 |
S-Dラット(体重200〜250g)脳に対して,頭皮上より高頻度電気刺激(1日1回,刺激強度:50mA,頻度:100Hz,刺激持続時間:1秒)を行い,全身けいれん発作を20〜40秒間誘発し,けいれん発作による大脳皮質,海馬での電位依存性Naチャネル活性の変化の有無を検討した.この高頻度電気刺激は隔日で実施し,計5回の大脳刺激を行い,5回目の電気刺激後20時間経過した時点で大脳皮質,海馬を取り出し,シナプトゾーム分画を回収した. ベラトリジン100μM刺激でのシナプトゾームへの^<22>Naの取込みは大脳皮質ではコントロールラット群(n=5)で2.12±0.41nmol/mgであり,電気刺激ラット群(n=5)では7.22±0.99nmol/mgと有意に増加(P<0.001)がみられた.海馬においても,コントロール群2.30±1.79nmol/mg,電気刺激ラット群5.47±2.01nmol/mgと電気刺激群で^<22>Na流入の有意な増加(P<0.01)がみられた。 この結果は,大脳神経細胞を高頻度電気刺激することにより,電位依存性Naチャネルのactivityが亢進し,けいれん出現に関連することを示唆している.
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