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1997 年度 実績報告書

興奮・収縮連関異常による神経筋疾患の分子遺伝学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 08670742
研究機関(財)冲中記念成人病研究所

研究代表者

高木 昭夫  財団法人冲中記念成人病研究所, 研究員 (20010142)

研究分担者 上坂 義和  財団法人冲中記念成人病研究所, 研究員
井田 雅祥  財団法人冲中記念成人病研究所, 研究員
渡辺 知司  財団法人冲中記念成人病研究所, 研究員
小島 進  財団法人冲中記念成人病研究所, 研究員
中瀬 浩史  財団法人冲中記念成人病研究所, 研究員 (80155738)
キーワード悪性高熱 / セントラルコア病 / リアノジン受容体 / カルシウム イオン / カフェイン / 遺伝子
研究概要

悪性高熱(malignant hyperthermia,MH)は全身麻酔の重篤な副作用であり、高熱、不整頻脈、酸血症、ミオグロビン尿などを主症候としている。MHは単一疾患ではないが、中核には悪性高熱病と称すべき病態がある。すなわち筋小胞体のカルシウムイオン(Ca)遊離チャンネルであるリアノジン受容体(RYR1)の遺伝子異常が約50%の症例で発見された。セントラルコア病(central core、CCD)は先天性ミオパチーの一型であり、特異な組織化学的染色所見で診断される。CCDはしばしば悪性高熱を合併する。またその一部の症例でRYR1の点変異が発見され、これらはMHのallelic diseaseと考えられている。本研究では(1)caffeineの収縮系に対する作用を分析した。caffeineはMHの病態研究や診断に使用されているが、この点の情報が乏しいからである。(2)MHやCCD症例につき薬理学的ないし遺伝学的研究を行った。
1) スキンドファイバーを使用して、caffeineの収縮系への影響をmdxマウスと対照の間で比較した。張力発生は低Caの中ではcaffeineによって増加した。高Caの中では30mM caffeineによって、張力は減少した。タイプ2線維に関して、mdxではcaffeineによる張力増加は対照より常に著明であった。一方、タイプ1線維ではcaffeineの影響はmdxと対照で同一であった。タイプ2線維でのみcaffeineの影響に差が見られる理由は明確ではない。筋分化の影響の可能性を考慮した。
2) MHおよび関連症例について、スキンドファイバー法によるcaffeine拘縮試験とRYR1遺伝子の検索を行った。caffeine拘縮試験は従来の方法を改変した。cumulative contracture法で行った。MHを発症したCCDの家族例では、caffeine拘縮は著明に亢進していた。術後に発症したMH例では、タイプ2筋線維でのみ亢進を観察した。MH疑診例では境界的反応で判定は保留された。スキンドファイバー法によるcaffeine拘縮試験の意義と限界につき考察した。MHないしCCD資料につき、既知のRYR1遺伝子変異を検索した。9種の変異は認められなかった。SSCP法を応用してRYR1の変異を検討している。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 高木 昭夫: "悪性高熱/セントラルコア病の分子遺伝学" 日本臨床. 55(12). 3307-3314 (1997)

  • [文献書誌] 高木 昭夫: "筋ジストロフィー研究最前線" 診断と治療. 85・8. 1204-1209 (1997)

  • [文献書誌] 井田 雅祥, 高木 昭夫: "筋緊張性ジストロフィーと痴呆" Dementia Japan. 11・3. 313-316 (1997)

  • [文献書誌] 上坂 義和ほか: "Rimmed vacuolesや細胞質封入体を伴う常染色体優性遠位型シオパチ" 臨床神経学. 37.1. 1-6 (1997)

  • [文献書誌] 高木 昭夫: "悪性高熱-病態と遺伝異常" 医学のあゆみ. 179・5. 354-358 (1996)

  • [文献書誌] Takagi A et al: "Caffeine contracture of the skinnedfiber in malignant hyper thermia" ″Malignant Hyperthermia, Springer-Verlag(Tokyo). 67-73 (1996)

  • [文献書誌] 高木 昭夫: "悪性高熱、最新内科学大系71" 中山書店, 8 (1996)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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