研究課題/領域番号 |
08670744
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 国立精神・神経センター |
研究代表者 |
塚原 俊文 国立精神・神経センター, 神経研究所, 研究員 (60207339)
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研究分担者 |
篠崎 文子 国立精神, 神経センター・神経研究所・疾病研究第一部, 研究員
荒畑 喜一 国立精神, 神経センター・神経研究所・疾病研究第一部, 部長 (30053325)
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キーワード | Duchenne型筋ジストロフィー / Dystrophin / 化学的治療法 / アンチセンスDNA / RNAスプライシング / exon-skip |
研究概要 |
筋ジストロフィーに対するアンチセンスDNAによる治療法開発の基礎的研究として今年度は以下の実験を行った。マウスdystrophin遺伝子のオリゴ添加によるexon-skipを簡便に評価するため、筋管細胞への分化誘導が可能なC2筋芽細胞を用いた実験系を確立した。C2を無血清培地で培養することによって細胞は筋管細胞へと分化し、分化誘導3日後以降にdystrophin遺伝子を発現することが確かめられた。 上記の実験系にRNA-splicingに重要な配列であるexon23の5'-および3'-splice site、branch point、GA rich配列等に対するアンチセンスオリゴを添加し、4日間培養後exon-skipが起こったか否かを判定するため、RT-PCRを行った。5'-および3'-splice siteに対するアンチセンスオリゴDNAの添加によって正常splicing産物であるexon22+23+24の生成が顕著に減少し、exon22+24と思われるバンドが現れた、さらに5'-splice siteでは、センスオリゴでも同様であった。一方、intron22に存在するpyrimidineの多い領域に対するアンチセンスオリゴの添加では変化はみられなかった。 この結果は、オリゴ添加によってdystrophin遺伝子のexon23を含むsplicingが抑制されうることを示している。添加によって変化のないオリゴもみられるので、この効果はオリゴの配列によると考えられる。また、従来splicing抑制に最も効果があるとされている5'-および3'-のsplice siteが実際に細胞内のsplicingを抑制したことは、我々の予測どうりであった。また、上記実験において生成されたバンドをクローン化後塩基配列を決定し、実際にexon22+24が生成していることを確かめた。
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