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1996 年度 実績報告書

冠微小循環の内皮機能及び自己調節機能に与えるリゾレシチンの影響

研究課題

研究課題/領域番号 08670753
研究機関東北大学

研究代表者

金塚 完  東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (80214435)

キーワード冠微小循環 / 冠循環 / 百日咳毒素 / GTP結合蛋白質 / Nitricoxide / 血管内皮 / 高脂血症
研究概要

酸化LDL中のリゾレシチン(LPC)は太い摘出血管で、内皮のNO産生を障害する。しかしin vivoでは、LPCはアルブミンと速やかに結合し、in vitroと同様の作用を有するかは不明である。また、冠微小動脈の内皮機能を障害しうるかも不明である。本研究ではLPCを冠動脈内投与し、in vivoで微小循環にどの様な障害を与えるか検討した。
実験には麻酔開胸犬を用いた。左前下行枝(LAD)で灌流される左室前壁の微小動脈を、浮動型対物レンズ顕微鏡(CircRes,Ashikawa et al., 1986)による蛍光造影法で観察した。プロトコール1(n=9)では、LPC投与群(L,;,10^<-7>mol/kg/min, 60min, n=3)または、その溶媒(Krebs液)を投与した対象群(C;n=6)に、投与終了10分後から、10^<-10>,10^<-9>,10^<-8>,10^<-7>mol/kg/min(各々5分)のB-HT920(α_2-agonist)を投与、最後に10^<-4>molのニトロプルシド(NP)を心外膜側より滴下した。プロトコール2(n=6)ではプロトコール1と同様にLPC(n=2)またはKrebs液(n=4)を投与し、投与開始30分後に1.5mg/kgのインドメサシンを静注してプロスタノイドの作用を抑制した。LPCまたはKrebs液の投与終了10分後より、ブラジキニン(BK)を10^<-12>,10^<-11>,10^<-10>,10^<-9>mol/kg/min(各々5分)で投与し最後に10^<-4>molのNPを心外膜側より滴下した。B-HTの投与により、C群(19vessels)、L群(11vessels)ともに冠微小動脈は用量依存性に収縮したが,10^<-8>及び10^<-7>mol/kg/minではL群でより強い収縮が認められた(-12.9±1.4%vs-20.8±2.4%^*,-19.3±1.4%vs-28.2±2.9%^*,^*p<.05vsC)。しかしBKによる内皮由来拡張は何れの濃度においてもLPCにより影響されなかった。またNPの作用は何れの群でもLPCにより影響されなかった。α_2-agonistによる血管収縮作用が増強しBKの作用が不変であることより、LPCは生体内においても冠微小動脈のGi蛋白を介するNOの産生を障害すると考えられた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 金塚 完: "心外膜側心筋と微小循環" 医学のあゆみ. 179. 764-768 (1996)

  • [文献書誌] 金塚 完: "冠循環とnitric oxide" 循環器科. 40. 534-537 (1996)

  • [文献書誌] Akihiko Sugimura et al.: "The effect of diadonosine triphosphate on coronary artcial microvessels" Circulation. 94. I-182- (1996)

  • [文献書誌] Toshinori Tanikawa et al.: "Role of Pertassis Toxin-sensitive G protein in active hyperemia of coronary micro circulation" Circulation. 94. I-242- (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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