モルモットの単一心室筋細胞をSBFI(40μM)とfluo-3(20μM)で同時負荷し、顕微蛍光法により[Na^+]iと[Ca^<2+>]iを同時に測定した。microinjectorを用いて低Na^+溶液を急速に短期間(10秒間)灌流することにより、一過性の[Ca^<2+>]i上昇(Na^+ withdrawal Ca^<2+> transient;SWCT)を測定して交換活性の指標とした。strophanthidin(1-100μM)により[Na^+]iとSWCTは共に増加し、SWCTの[Na^+]i依存性が示され、SWCTがNa^+/Ca^<2+>交換活性を反映することが示唆された。CCCP(5μM)とamytal(3.3mM)による酸化的燐酸化阻害およびそのwashoutを虚血/再灌流のモデルとし、代謝阻害とその解除時のNa^+/Ca^<2+>交換活性に及ぼす影響を検討した。代謝阻害時には、[Na^+]iは対照に比し増加したが、SWCTは抑制された。一方、washout時のSWCTは、対照および代謝阻害時に比べ増加した。これにより、代謝阻害時には、Na^+の電気化学的勾配は増大するが、Na^+/Ca^<2+>交換活性は抑制されるため、Ca^<2+> influxは減少することが示唆された。しかし、SWCTは、ryanodineやthapsygarginの存在下でその振幅が減少することから、Na^+/Ca^<2+>交換を介するCa^<2+>流入にtriggerされる筋小胞体からのCa^<2+>放出が関与することが示唆された。今後、Ca^<2+> channel blockerとSRのblocker存在下での虚血/再灌流のモデルにおけるSWCTを検討する予定である。
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