研究課題/領域番号 |
08670779
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
丹羽 良子 名古屋大学, 環境医学研究所, 助手 (00216467)
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研究分担者 |
佐久間 一郎 東京電機大学, 理工学部, 助教授 (50178597)
外山 淳治 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (20023658)
児玉 逸雄 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (30124720)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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キーワード | 直流通電 / 除細動 / 膜電位感受性色素 / 活動電位光シグナル / 細胞膜破壊 / optical probe / 多形性心室頻拍 / 単形性心室頻拍 |
研究概要 |
直流通電による除細動時には心室各部の心筋が様々な強度(5〜100V/cm)の電界に曝される。本研究では、それらの電界が心室筋の膜電位波形に及ぼす作用を解明するため、膜電位感受性色素を用いた活動電位光シグナル計測装置を開発し、灌流心を用いた実験で検討するとともに、膜イオン電流モデルを用いたシミュレーション解析を行った。 1.直流通電による活動電位波形変化の心室内部位差:1チャンネル光シグナル記録装置を用いた実験では高圧電界による可逆的な細胞膜破壊(electroporation)によると考えられる直流通電の後作用(静止電位減少、活動電位振幅の減少、膜電位振動)と催不整脈作用の心室内部位差を検討した。その結果、右室心外膜面への通電が左室心外膜面や心室中隔心内膜面への通電に比べて膜電位の後作用が大きく、心室頻拍・細動が誘発されやすいことが示された。 2.多チャンネル活動電位光シグナル計測装置の開発:平成8年度の研究で開発した計測装置のoptical probeを小型化し、心表面の8点から活動電位光シグナルを同時に記録できるシステムを完成させた。この装置を用いた実験では、心室興奮の受攻期に比較的弱い強度の直流通電を加えるとスパイラル型のリエントリ-による多形性心室頻拍が誘発されるのに対し、electroporationをきたすような強い通電では、通電部位を発生源とする単形性心室頻拍が誘発されることが示された。 3.Beeler-Reuterモデル(1977)とLuo-Rudyモデル(1994)を用いたシミュレーションでは細胞膜にelectroporationを想定した矩絡回路を設定することで高電界直流通電によって生ずる膜電位の後作用が再現できることを確かめた。
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