研究課題/領域番号 |
08670782
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
伊藤 誠 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (70159911)
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研究分担者 |
和田 厚幸 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (10273400)
杉本 喜久 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (30216337)
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キーワード | Heart failure / Cardiac arrhythmia / Pacing / Action potential |
研究概要 |
心不全モデルの作成はイヌとウサギで試みた。犬では心室を200回/分で10-14日間ペーシングすることにより、心不全が作成された。心不全犬では心拍出量の低下、肺動脈契入圧の上昇とと神経体液性因子である血中心房性利尿ホルモン、脳性利尿ホルモン、エンドセリンの増加を認めた。ペーシング開始10日目に右室および左室心内膜側から単相性活動電位を記録したが活動電位幅は短縮していた。これは従来報告されている様なヒト心不全では活動電位持続時間が延長しているのとは結果が異なった。ペーシングモデルによる心不全とヒト心不全とは異なること、およびペーシングの期間や心不全の程度などが活動電位持続時間の変化に影響を及ぼすことが示唆された。 次に、価格の高騰によりイヌの入手が困難になったため、ウサギに心室ペーシングを行い心内膜及び心外膜側から単相性活動電位を記録した。心室を400-450回/分で20分-2時間ペーシング後の単相性活動電位の持続時間はペーシング前に比較して短縮していた。また体表面心電図では、T波の陰性化が認められた。K+電流である一過性外向き電流を阻害する4-aminopyridineを静脈投与すると活動電位持続時間短縮は軽減された。 従って、ウサギの高頻度心室ペーシングによる活動電位持続時間短縮には一過性外向き電流の活性化が関与していることが示された。現在、実験結果の報告を作成中である。 今後はウサギの長期間のペーシングモデルの作成と取り出し標本による活動電位の測定を行う予定である。
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