研究課題/領域番号 |
08670792
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
星田 四郎 大阪大学, 医学部, 助手 (80238732)
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研究分担者 |
多田 道彦 大阪大学, 医学部, 教授 (90093434)
山下 宜繁 大阪大学, 医学部・附嘱病院, 医員
西田 昌司 大阪大学, 医学部, 助手 (40283783)
葛屋 恒彦 大阪大学, 医学部, 助教授 (80150340)
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キーワード | レニン-アンジオテンシン系 / 動脈硬化 / ACE活性 / ACE阻害薬 |
研究概要 |
[目的]アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬は動物モデルにおいて動脈硬化の進展を抑制し、この作用機作としてアンジオンテンシン(Ang)IIによる細胞増殖作用の関与が報告されている。しかし、動脈硬化進展における経時的な血管組織レニン・アンジオテンシン系(RAS)の変化は明らかではない。今回、動物モデルを用いて、ACE阻害薬慢性投与時の動脈硬化初期と成立期における血管系と血中のRASを対比すると共に、Angによる血圧昇圧反応の変化を検討した。[方法]家兎を正常食あるいは、1%高コレステロール(Chol)食で4週(n=20)、10週(n=36)飼育し、各群の半数にエナラプリル(E,3mg/kg/d)を投与した。血中、大動脈組織中のACE活性を測定し、Ang I,II(3ng/kg)による昇圧反応を観血的に計測した。 [結果]1.血中Chol値はE投与の有無で差を認めなかった。血中ACE活性は、Chol負荷による差は認めなかったが、E投与により有意に低下した。大動脈ACE活性はChol負荷により上昇し、E投与による抑制率は著明に減弱していた。2.Chol負荷10週群でAng Iによる昇圧反応は有意に上昇し、Eによる抑制効果も低下していた。 [総括]Chol負荷により大動脈ACE活性は上昇し、EによるACE活性抑制率は血中より大動脈組織の方がより軽度であった。Ang Iに対する昇圧反応は動脈硬化成立期(10週)で亢進しており、動脈硬化進展におけるRASの関与が示唆される。ACE阻害薬は動脈硬化の進展度によりその効果発現が異なると考えられる。
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