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1997 年度 実績報告書

心筋梗塞壊死進展における動脈硬化病変の意義 -レニン・アンジオテンシン系と一酸化窒素との関連-

研究課題

研究課題/領域番号 08670792
研究機関大阪大学

研究代表者

西田 昌司  大阪大学, 医学部, 助手 (40283783)

研究分担者 多田 道彦  大阪大学, 医学部, 教授 (90093434)
山下 宜繁  大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
葛谷 恒彦  大阪大学, 医学部, 助教授 (80150340)
星田 四朗  大阪大学, 医学部, 助手 (80238732)
キーワード動脈硬化 / 再潅流障害 / 一酸化窒素 / アンジオテンシン / アンジオテンシン変換酵素阻害薬
研究概要

実験的心筋梗塞モデルの梗塞量を縮小する薬剤が必ずしも臨床症例においてその有効性を発揮することができない。その理由の一つは、臨床例における再潅流障害には、冠動脈硬化病変が基盤に存在することである。アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬は動脈硬化進展を抑制しうること、動物モデルでの心筋梗塞の壊死進展を抑止することがすでに報告されている。ACE阻害薬はキニナーゼの阻害をも行い、ブラジキニンの上昇、NO産生の亢進をもたらすことから、動脈硬化モデルにACE阻害薬を投与することにより冠動脈硬化を抑制しNO産生を保持すると、心筋梗塞の壊死進展抑制硬化が期待できる。本研究においては、日本家兎を1%コレステロール食で10週間飼育することにより、高コレステロール血症モデルを作成した。高コレステロール負荷家兎においては、正常食ウサギに比し著明な心筋梗塞巣の拡大を認めた。高コレステロール食ウサギにおいては、虚血領域におけるミエロペルオキシダーゼ活性、ロイコトリエンB4産生が増大しており、冠微小循環における白血球活性化が心筋障害に関与していることが示唆される。高コレステロール負荷ウサギにおいては内皮依存性弛緩反応が減弱し、外因性のNO供与体を投与すると心筋梗塞巣の拡大が抑制されることより、血管内皮由来NO産生低下が白血球活性化をもたすことが考えられる。一方、高コレステロールウサギにおいては、血管壁ACE活性、血中アンジオテンシンIIレベルが上昇した。ACE阻害薬を投与すると、両者の低下とともに、動脈硬化巣の縮小を認めた。これらの結果は、動脈硬化病変を基盤に持つ虚血性心疾患において、心血管組織におけるレニン-アンジオテンシン系の活性化がNO産生を抑制し、冠微小循環の白血球活性化を介した心筋梗塞巣の拡大をもたらすこと、ACE阻害薬がかかる病態の抑制に有用である可能性を示唆する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Hoshida S, et al.: "Amelioration of the severity of myocardial injury by a nitric oxide donor in rabbits fed a cholesterol-rich diet." J.Am.Coll.Cardiol.27. 902-909 (1996)

  • [文献書誌] Hoshida S, et al.: "A nitric oxide donor reverses myocardial injury in rabbits with acute hypercholesterolemia." J.Pharmacol.Exp.Ther.278. 741-746 (1996)

  • [文献書誌] Hoshida S, et al.: "Vascular angiotensin-converting enzyme activity in cholesterol-fed rabbits:effects of enalapril." Atherosclerosis. 130. 53-59 (1997)

  • [文献書誌] Igarashi J, et al.: "Inducible nitric oxide synthase augments injury elicited by oxidative stress in rat cardiac myocytes." Am.J.Physiol.274. C245-C252 (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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