1.微小平滑筋標本で張力測定が可能なように筋標本固定用チェンバー、張力トランスデューサー、張力アンプ等をセットアップした。 2.スキンドファイバー実験用の溶液は特殊であるので(特にカルシウムの混入が問題)、この点当研究施設の水が適切かどうかチェックを要した。 3.自然発症高血圧ラットと正常ラットの冠動脈で収縮蛋白系のCa^<2+>感受性が変化していないことをβ-escinスキンドファイバー標本で確認した。 4.正常ラット冠動脈β-escinスキンドファイバー標本において、GTP存在下にイソプロテレノールで刺激すると、収縮蛋白系のCa^<2+>感受性は抑制された。この反応はサイクリックAMPでも再現された。このことからラット冠動脈β-escinスキンドファイバー標本においてはベータ受容体の機能が保持されていること、ベータ受容体刺激は収縮蛋白系のCa^<2+>感受性の抑制に働くことがわかった。自然発症高血圧ラット冠動脈では、このベータ受容体刺激による収縮蛋白系のCa^<2+>感受性の抑制が正常ラットより弱い印象があるが、例数が少ないためか一定の傾向がまだ得られていない。今後例数を増やしていく予定である。
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