家兎を麻酔下に20分間42Cの熱ストレスに暴露した後回復させ、24時間後に麻酔下に開胸した。冠動脈左回旋枝領域の心筋にpulsed Doppler epicardial sensorを、回旋枝周囲にpulsed Doppler flow probeを装着し、局所壁運動および冠血流量を測定した。また、左室内圧測定用のcatheter tip manometerを左房から左室に、体血圧測定用のfluid-filled catheterを頚動脈にそれぞれ挿入した。左回旋枝の5分間閉塞5分間再灌流を5回反復した後90分再灌流し、myocardial stunningを誘発した。この標本において局所心筋の壁厚率(thickening fraction:TF)および冠血流量を、左室内圧、体血圧、心電図とともに測定することが可能であった。前値の%として表した場合のTFは、熱ストレスを与えないsham群では1回目の再灌流5分後に38.8【plus-minus】3.3)mean【plus-minus】SEM)%、5回目の再灌流5分後に27.9【plus-minus】3.8%、さらに5回目の再灌流90分後においても35.7【plus-minus】3.3%にとどまっており、myocardial stunningは同程度で持続していた。一方、熱ストレス群ではそれぞれの時点においてTFは、53.3【plus-minus】14.5%、51.6【plus-minus】20.9%、47.7【plus-minus】11.5%にまで回復し、熱ストレスによってmyocardial stunningが軽減する傾向が窺われた。この熱ストレスによるTFの改善と、冠血流量、左室内圧、心拍数との関連はみられなかった。また心室筋における熱ストレス蛋白、HSP72の同定については、Western blot法の手技が安定しな
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