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1996 年度 実績報告書

冠動脈圧・流量関係から観察する慢性心不全の冠循環動態の変化

研究課題

研究課題/領域番号 08670813
研究種目

基盤研究(C)

研究機関福島県立医科大学

研究代表者

斎藤 富善  福島県立医科大学, 医学部, 助手 (30235056)

研究分担者 丸山 幸夫  福島県立医科大学, 医学部, 教授 (90004712)
キーワード心不全 / 冠循環 / Nitric oxide / アデノシン / アセチルコリン
研究概要

【目的】心不全に至る過程で、長い拡張期の冠動脈圧・流量(P-F)関係を求めることにより、血行力学的要因や神経体液性因子、特に内皮依存性拡張因子が冠循環動態にどのように影響するか検討した。
【対象と方法】雑種成犬の冠動脈左前下行枝にドップラー血流計を、右室にペーシング電極を装着し、完全房室ブロックを作製した。同手術1週後に血行動態指標を測定した後、ペーシングを一時停止することによりP-F関係を求めた。control状態、アセチルコリン(Ach)1.0μg/kg,アデノシン(Adeno)0.015mg/kg,N^G-nitro-L-arginine methyl ester(L-NAME)1.0mg/kg冠注。その後、ペーシング頻度を240/分に設定し3時間高頻度ペーシングした時点で、同様に計測した。
【結果】3週間後、左室拡張末期圧は7±1から20±1mmHg、右房圧は6±2から11±1mmHgへと上昇した。control状態でのP-F関係の血流停止圧(Pf=0)は32±2から34±2mmgと有意差がみられず、傾きは1.36±0.20から1.47±0.16ml/min/100g/mmHgと心不全時に急峻になる傾向がみられた。Adeno時にはPf=0は22±1、26±2mmHg、傾きは7.27±1.28,6.18±0.69ml/min/100g/mmHgと3週間高頻度ペーシング前後で有意差はなかったが、心不全時に右下方に移動する傾向にあった。3週間後、AchでもAdenoとほぼ同程度に傾きは増加した。L-NAME後Pf=0は39±3,41±2mmHgへとそれぞれ増加し、傾きは心不全時により有意に右下方に移動した。
【結語】心不全時に、血行力学的影響を凌駕して、主にNO基礎分泌が亢進することにより冠循環は保たれていた。冠循環予備能は低下する傾向にあったが、内皮依存性拡張能は保たれていた。

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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