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1997 年度 実績報告書

細胞膜機能とCa^<2+>代謝機構の異常からみた高血圧の病態生理に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 08670819
研究機関和歌山県立医科大学

研究代表者

津田 和志  和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (90217315)

キーワード高血圧 / 電子スピン共鳴 / 細胞膜流動性 / カルシウム / ナトリウム / インスリン / 高インスリン血症 / 赤血球膜
研究概要

近年、高血圧の成因を細胞膜や細胞レベルでの変化からとらえようとする考え方が提唱され、細胞内電解質代謝異常を中心に検討が加えられてきた。我々も既に細胞膜機能が高血圧群で変化していることを示してきた。そこで本研究ではヒト本態性高血圧患者の赤血球膜を用いて電子スピン共鳴ならびにスピンラベル法により細胞膜流動性を測定し、その調節因子について検討した。電子スピン共鳴によって観察した赤血球膜流動性は本態性高血圧群で正常血圧群に比し有意に低下していた。また、その変化はCa^<2+>負荷やNa^+,K^+-ATPase inhibitorであるouabain存在下で増強することにより、Ca^<2+>ならびにNa^+代謝異常が膜機能調節に重要な役割を果たすものと考えられた。一方、高血圧群では血漿インスリン濃度は正常血圧群に比し高値を示したが、インスリン濃度の高いものほど赤血球膜流動性は低下していた。さらに、in vitroにおいてインスリンは濃度依存性に赤血球膜流動性を減少させ、その効果はCa^<2+>存在下で増強し、逆にCa^<2+> channel blocker diltiazemによって拮抗された。また、インスリンに対する反応性は高血圧群で低下していた。Glucose単独では膜流動性に影響を及ぼさなかった。これらの成績より、高インスリン血症を伴った高血圧の細胞膜機能調節にインスリンが関与し、その作用の一部は細胞内Ca^<2+>動態の変化に関連したものである可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Tsuda K et al.: "Modulation of [^3H]dopamine release by neuropeptide Y in rat striatal slices" European Journal of Pharmacology. 321. 5-11 (1997)

  • [文献書誌] Tsuda K et al.: "The role of sodium-potassium adenosine triphosphatase in the regulation of membrane fluidity of erythrocytes in spontaneously hypertensive rats" American Journal of Hypertension. 10. 1411-1414 (1997)

  • [文献書誌] 津田和志 他: "細胞膜流動性に及ぼすインスリンならびにCa拮抗薬の影響について" 臨床薬理. 28. 187-188 (1997)

  • [文献書誌] 津田和志 他: "中枢神経内dopamine releaseに及ぼすneuropeptide Y (NPY)の影響とその作用機序に関する検討" 心臓. 29 (Suppl 2). 73-74 (1997)

  • [文献書誌] 津田和志 他: "電子スピン共鳴よりみた高血圧の細胞膜機能とインスリンによる調節機序について" Therapeutic Research. 18. 74-77 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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