研究課題/領域番号 |
08670828
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
西川 俊郎 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (50120019)
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研究分担者 |
池田 郁雄 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (30266712)
安藤 明子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (90232090)
増田 昭博 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (60209434)
笠島 武 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (30045653)
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キーワード | 心筋炎 / ラット / 心筋傷害 / 一酸化窒素 / iNOS / アミノグアニジン / 活性酸素 |
研究概要 |
平成9年度は前年度に引き続き、ミオシン感作により心筋炎を惹起させたラット(心筋炎ラット)の心筋における誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)の発現、および活性酸素(O_2^-)の発生、分布について検討を行った。 さらに、iNOS拮抗薬であるaminoguanidine(AG)の心筋炎に対する効果を検討した。心筋炎ラットの心室心筋を4%パラホルム-0.5%グルタールアルデヒドにより固定し、LRホワイト・レジン包埋による超薄切片について、post-embedding法により抗iNOS抗体を用いた免疫電顕を行うと、炎症部の心筋細胞のcytoplasmにiNOS陽性反応が認められた。ラット摘出還流心について、O_2^-specific chemiluminescence probeによりphotocounterを用いて心筋における単位時間当たりのO_2^-産生量を測定したところ、心筋炎ラットでは1035±212cpsと対照ラットに比べて有意に高い値を示した。さらに、セリウム法により活性酸素の組織内分布を検討したところ、炎症部位の心筋細胞周囲に活性酸素反応陽性像が得られた。つぎに、iNOS拮抗薬(AG)を心筋炎ラットに連日投与し、その効果をみると、AG投与群では炎症の拡がり、心筋組織中のNO量、血中CPK-MB量が、非投与群に比べて有意に低く、AG投与により心筋炎が抑制されることが分かった。以上の結果から、心筋炎の組織では多量に産生されるNOが心筋傷害に重要な働きをしており、そこに活性酸素が関与している可能性が示唆された。
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