研究課題/領域番号 |
08670833
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
石川 欽司 近畿大学, 医学部, 教授 (10088536)
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研究分担者 |
小川 巌 近畿大学, 医学部, 講師 (60204070)
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キーワード | acute myocardial infarction / myocardial blood flow / basic fibroblast growth factor / myocardial salvage / collateral flow |
研究概要 |
1.背景・目的 犬及び豚では急性心筋梗塞作成時に塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)を注入することにより、副血行路が増え、心筋懐死が減少する(心筋salvage)ことが明らかとなっている。これらの成績からbFGFの臨床応用が急がれている中で、いかなる条件下でもbFGFが有効かをラット及び兎など副血行路の乏しい動物を用いて明らかにする。 2.方法 SDラットでは冠動脈結紮後、bFGFをrisk area内に注入する実験を追加した。兎ではbFGFを冠動脈結紮前に注入し、これまで実施していたと同様、非放射性カラーマイクロスフェア-法により局所心筋血流量を測定し、梗塞部の組織学的所見を把握してbFGFの効果を判定する。 3.総括 SDラットでは梗塞作成前にbFGFをrisk area内へ注入しても局所心筋血流量の増加はなく、心筋壊死が縮小されることはなかった。bFGFは病態の如何を問わず、すべてに有効とはなりえないことが明らかとなり、ヒトへの応用を考える上で、重要な警鐘となった。 兎ではbFGFにより局所心筋血流量の現在のところ明らかな増加はみられていない。今後、組織学的変化も含め、最終結論を見い出したい。
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