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1996 年度 実績報告書

急性冠動脈症候群の発症に関わる細胞接着分子機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 08670836
研究機関久留米大学

研究代表者

池田 久雄  久留米大学, 医学部, 助教授 (50168134)

研究分担者 植山 敬久  久留米大学, 医学部, 助手 (40279162)
服巻 信也  久留米大学, 医学部, 助手 (90248352)
キーワード細胞接着分子 / P-selectin / slalyl Lewis X / 血小板 / 白血球 / 血管内皮 / thrombosis / acute coronary syndromes
研究概要

1、研究目的 急性冠動脈症候群の発症に冠動脈内血栓が関与し、この血栓形成過程に細胞接着分子が重要な役割を果たしている。細胞接着分子の1つであるP-selectinはトロンビンや活性酸素により血小板や血管内皮に発現し、白血球膜上のsialyl Lewis X(SLeX)糖鎖と結合することで白血球を活性化し安定した血栓を形成すると考えられている。一方、冠狭窄部の血小板活性化により冠血流が周期的に冠閉塞と自然再潅流を繰り返す現象(cyclic flow variations:CFVs)が急性冠動脈症候群に類似した病態である事を報告した。そこで本研究ではP-selectinのモノクロナール抗体(PB1.3)およびSLeX誘導体(SLeX-OS)をCFVsモデルに投与することにより、その抑制効果を観察し、血栓形成過程にP-selectinとSLeXの細胞間相互作用がどのような役割を果たしているかを検討した。
2、研究実施計画(1)CFVsに対するPB1.3およびSLeX-OSの効果;CFVs出現後、a)生理食塩水b)PB1.3c)SLeX-OSおよびd)PB1.3とSLeX誘導体の併用を投与した。a),b)およびc)ではCFVsは変化しなかったが、d)ではCFVsに対して有効であった(p<0.05)。(2)フローサイトメトリー法による血小板膜糖蛋白P-selectinの検討;血小板膜表面のP-selectin発現は、CFVs出現後に有意に増加した(p<0.01)。(3)摘出冠動脈における血小板、白血球接着状態の走査電顕的検討;冠動脈狭窄部の走査電顕像では内皮細胞剥離および同部に血小板や白血球の接着像が確認された。以上より、冠動脈内血栓形成過程にP-selectinとSLeX糖鎖との接着分子機構が関与している事が示唆された。
3、今後の研究の展開
冠動脈狭窄部における血栓形成過程に重要な役割を担っている血小板-白血球の細胞間相互作用が同時におこる心筋虚血進展過程(冠狭窄部末梢の冠動脈や心筋内微小循環)にどのような影響を及ぼしているかを検討する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Takahisa Ueyama: "Effects of Monoclonal Antibody to P-selectin and Analogue of Sialyl Lewis Xon Cyclic Flow Variations in Stenosed and Endothelium-Injured Canine Coronary Arteries" Circulation. 95(印刷中). (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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