研究概要 |
1. EBウイルス(EBV)感染リンパ芽球株(lymphoblastoid cell line ; LCL)の樹立ヒトリンパ球にB95-8 EBVを感染させ15個のLCLを樹立した. 2.樹立されたLCLの表面CD4抗原,CD4 mRNA発現の検索 CD4陽性細胞を抗CD4モノクローナル抗体で染色後,flow cytometryで15個のLCLのCD4陽性細胞の比率を検索した.CD4陽性細胞の比率は様々であり,CD4 mRNAの発現もRT-PCR法で確認した. 3 CD4抗原陽性クローンの樹立 sofr agar法,limitting dilution法で得たクローンを検索したが,CD4陽性細胞の多いクローンは得られなかった.そのためbeadsを使用しCD4陽性細胞の比率の多いLCLを得た. 4. CD4陽性細胞の多いLCLへのヒトヘルペスウイルス(HHV-6)の感染 LCLにHHV-6を感染させ経時的にHHV-6抗原の発現を蛍光抗体補体法で,上清のHHV-6 DNAをPCR法で検索したが,HHV-6の抗原発現,ウイルス産生はみられなかった.このことから,HHV-6のレセプターと考えられるCD4分子の存在だけでは,HHV-6の感染は成立しないものと推測された. 5. CD4陽性細胞の多いLCLへのHIV-1の感染 1996年からHIV-1の感染にはCD4分子の他に,ケモカインのレセプターが必要であることが明らかとなってきた.その為,LCLにHIV-1を感染させ,(1)ウイルス増殖がおこるか否か,(2)LCLにケモカインのレセプターであるCKR-5, FusinのmRNAが発現しているか否かをRT-PCR法で検索する計画である.
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