研究課題/領域番号 |
08670846
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
宮本 晶恵 旭川医科大学, 医学部, 助手 (10250557)
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研究分担者 |
高橋 悟 旭川医科大学, 医学部, 医員
沖 潤一 旭川医科大学, 医学部, 助教授 (60152401)
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キーワード | 中枢神経障害 / 睡眠覚醒リズム障害 / メラトニン / サルファトキシメラトニン |
研究概要 |
私達は、中枢神経障害児の睡眠覚醒リズム障害には、メラトニンの日内リズムの障害があることを報告した(1997年、日本小児神経学会、名古屋)。すなわち、持続導尿による24時間の尿中スルファトキシメラトニン(aMT6s)日内リズムは、非24時間睡眠覚醒障害ではaMT6sの夜間の分泌上昇がなく、睡眠相後退症候群ではピークが朝にずれ、特定不能の睡眠障害では種々の異常があった。 次に、これらの中枢神経障害に関連した睡眠覚醒リズム障害を有する患児14例において、旭川医科大学の倫理委員会の承認および両親の承諾を得てメラトニン内服治療を行い、その効果と副作用を検討した。メラトニン開始前、1カ月、2カ月、3カ月、5カ月、8カ月において、理学所見、血液、生化学、内分泌系を検討した。メラトニンの効果は、睡眠導入効果、維持効果、活動性の改善の3項目で判定し、改善項目3項目を著効、2項目を有効、1項目をやや有効、改善のないものを無効とした。14例中著効3例、有効4例、やや有効5例、無効2例であった。やや有効以上の12症例では、睡眠導入効果は全例で認められたが、9例では睡眠維持が困難であった。副作用の検討では、末梢血、検尿、生化学には明らかな異常はなく、内分泌系では、メラトニン投与期間内に二次性徴が発来した2例(11歳、12歳)以外は明らか変化はなかった(1997年、メラトニン研究会、東京)。 以上、プレリミナリではあるが中枢神経障害に伴う睡眠覚醒リズム障害においてはメラトニン分泌障害が関与し、その治療にメラトニンが有効であり、明らかな副作用がないことを明らかにした。今後、さらに症例を重ねて検討する。
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