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1997 年度 実績報告書

小児心筋障害の心電図再分極相の解析による定量的診断法の開発及びその成因の解明

研究課題

研究課題/領域番号 08670859
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

泉田 直己  東京医科歯科大学, 医学部, 講師 (70193381)

研究分担者 浅野 優  東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (30222590)
キーワード心筋障害 / QRST積分値図 / 定量的評価
研究概要

昨年度の研究により、心筋症や心筋梗塞などによって出現する再分極異常はQSRT積分値図により検出できることが示された。本年は、そのQRST積分値図所見の変化をみることによって心筋障害による再分極異常を非侵襲的にかつ定量的に評価する方法について検討した。まず正常小児100例において、QRST積分値図の評価を行った。正常例でも小児では、年齢によりQRST積分値図所見が変化することを考慮し、対象の100例は、年齢層により5群(0-2、3-5、6-8、9-11、12-15歳)に分類した。それぞれの群には、それぞれ22,21,22,16,19例が属していた。各対象例についてその年齢に対応する日循小児正常値のQRST積分値平均値との相関係数を求めた。相関係数pは、p=Σ(x_i-X)(y_i-y)/√Σ(x_i-X)^2Σ(y_i-y)^2と定義した。ただしx_iおよびy_iはそれぞれ対象例と日循小児正常値の各誘導点での積分値を、x,yは全誘導点の平均値を表す。正常例では、各年齢層ともpの値は、平均値は0.88〜0.92であり、平均-2SD値を暫定的な正常下限値とした場合年齢により若年層から順に0.75,0.75,0.84,0.83,0.82となった。ついで、心筋障害がみられ反復してQRST積分値図を記録し得た4例についてその所見が心筋障害の程度を反映しているかについて検討した。この4例は、心筋炎2例、肥大型心筋症、川崎病後の心筋梗塞各1例で3例はWPW症候群を伴っていた。心筋炎例2例では、活動期から回復にかけてpは0.69→0.80および0.71→0.90→0.93と変化した。心筋症および川崎病後心筋梗塞例は発症前と発症後のp値がそれぞれ0.82→0.68、0.92→0.25と変化した。このように、正常例では、小児期には年齢を問わず相関係数pは平均0.88以上の高値を示す一方、心筋障害例では、それによる再分極異常をp値の異常によって定量的にとらえることができた。このことは、伝導異常を有するWPW症候群でも可能であり、心筋障害の再分極異常の定量的判定法として適用できる可能性が示された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Izumida N, Asano Y et al: "Preccrdial leads QRST tine integrals for evoluation of right vewtuculan overload in chuldren inthe congeutal hcart disearss" Journal of Electro eardiology. 30. 257-264 (1997)

  • [文献書誌] 泉田直己, 浅野 優 他: "QT延長小児例でのActivation Reesvery Interval dispersionの検討" 心電図. 17. 679-686 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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