| 研究概要 |
ヒトアレルギー疾患においてマスト細胞は中心的な役割を果たしているが、その活性化には表面上に発現したFcεRIが不可欠である。ところが、我々は、ヒトマスト細胞の長期純培養を行なった結果,この培養マスト細胞のFcεRI発現が不良であることを見出した。また、in vivoでもFcεRI陰性のマスト細胞の存在を確認している。従って、マスト細胞のFcεRI発現には,何らかの因子が必要であると考えられた.そこで、検討を加えた結果、我々は,IL-4が培養ヒトマスト細胞のFcεRI発現を誘導することを確認した.こうして誘導されたFcεRIはIL-4除去により発現が低下するとから,IL-4依存性である.さらに,FcεRIを発現しないマスト細胞は,IgEを加え架橋しても反応が悪くヒスタミンを放出しないが,IL-4添加によりFcεRIを発現したマスト細胞は,著明なヒスタミン放出を起こす.このことは,IL-4より誘導されたFcεRIは,機能的であることを示している.さらに、IL-4はマスト細胞の接着因子を増強させ凝集を引き起こすこと、増殖も誘導することを見出した。
以上,IL-4がマスト細胞のFcεRIや接着因子の発現誘導、増殖を引き起こすことを明らかにし、マスト細胞の活性化にIL-4が重要な役割を果たしていることを示した。
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