1 一般健常集団223名について、日本人FBPase欠損症で高頻度でみられるエクソン7のG挿入変異の有無について、PCR後にSSCP法にて分析した。約10%のサンプルについては、エクソン7のG挿入変異直前のG塩基がA塩基に変異する正常遺伝子多型の存在が明らになった。 2 SSCP法による変異の検出と困難と思われ、マススクリーニングに適した検出方法としてオリゴヌクレオチド-ハイブリゼエ-シオン(ASO)法でのスクリーニングを検討してきたが、ASO法における基本的測定条件の検討中である。引き続いて日本人集団でのFBPase欠損症の高頻度遺伝子異常の検索に移る予定である。 3 日本人FBPase欠損症13名について、PCR後に直接塩基配列決定法により遺伝子変異の検索をおこなった。その結果として、10名中の4名で変異が検出された。残りの3名については検出されなかった。変異の内分けはG挿入変異が46%(10/22アリール)、G164S変異が14%(3/22アリール)A177D変異が4%(1/22アリール)、E30X変異が9%(2/22アリール)、V325A変異が4%(1/22アリール)であった。 4 欧州人FBPase欠損症10名についても、同様に遺伝子変異の検索をおこなった。その結果として、10名中の3名で何らかの変異が検出された。残り7名については変異が検出されなかった。変異の内分けはG挿入変異が5%(1/20アリール)、Q228X変異が10%(2/20アリール)であった。エクソン1関連の変異によりmRNAが検出できない症例が 1例で10%(2/20アリール)あった。その他の原因でmRNAが検出できない症例が5%(1/20アリール)あった。
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