本年度は、3年計画の1年目として研究実施計画に従って以下の成果をあげた。 1)5-FUと4-HCとの併用時の相乗効果をin vitroおよびin vivoにおいて明かとし、正常幹細胞と混入腫瘍細胞と間の薬剤感受性の差を拡大することで薬剤によるin vitro purgingへ応用できる基礎的データが得られた。 2)EtoposideとAcrarubicinとの間には濃度により拮抗的相互作用が存在し、これはEtoposideにより誘導されるApoptosisをAcrarubicinが抑制するこで起こることを明かとした。 3)Competitive PCR法により、deoxycytidine kinase(dCK)mRNAの定量解析法を確立し、臨床検体を用いた検討で、一部の白血病患者においてdCK発現が低下しており、それが薬剤耐性に関与していることを明かとした。 4)6MPにはdelayed cytotoxicityと薬剤濃度によりparadoxycal cytotoxictyが存在した。これらの現象には細胞周期の進行が大きく関与していた。細胞周期の進行にともない6MPの代謝産物である6TGのDNAへの組み込みが増加しDNA障害に起因したApoptosisが低濃度6MPでより誘導されると考えられた。 5)Burkitt lymphomaの細胞株において17一kDa endonuclease活性を見い出し、その活性のgel内定量法を確立した。
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