研究課題/領域番号 |
08670887
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
大野 耕策 鳥取大学, 医学部, 教授 (70112109)
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研究分担者 |
檜垣 克美 鳥取大学, 医学部, 助手 (90294321)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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キーワード | carbohydrate-deficient glycoprotein syndrome / disialotransferrion / asiolotransferrin / dehydrodolichol reductase |
研究概要 |
1993年、日本人症例の血清トランスフェリンの糖鎖の分析によって、患者トランスフェリンにつく糖鎖の構造には異常がなく、糖鎖の少ないトランスフェリンは分子量からみて、アスパラギンN-結合型の糖鎖がついていないことを示し、アスパラギンN-結合型糖鎖の転移に欠陥のあることを報告した. 今回、日本人CDG患者線維芽細胞を用いて、糖鎖前駆体を負荷し、ドリコール結合型糖鎖の解析を行った.標識グルコサミン投与では、CDG患者由来線維芽細胞と正常線維芽細胞では、特定のドリコール結合糖鎖中間体の増加はなく、CDG患者由来線維芽細胞ではこれら中間体が全体に低下しているのを見出した.ドリコール結合型糖鎖中間体の減少が、糖蛋白糖鎖欠乏と関係していると考えた.さらに、標識マンノース負荷ではマンノース6燐酸、マンノース1燐酸への取り込みはCDG症候群患者細胞では増加し、Jaekenらによって疑われていたPhosphomannomutaseにはメタボリックラベルからは異常がないと考えた.さらに標識メバロン酸負荷によって、dehydrodolicolとdolicolの比が正常と逆転し、dehydrodolicolの増加とdolicholの減少を認めた.これらから日本人CDG患者線維芽細胞ではdehydrodolicol reductaseの部分的欠損によってドリコール結合型オリゴ糖の減少が生じ、これが糖蛋白欠乏糖鎖の原因と考えた. この結果は1997年にベルギーのグループが報告したCDG症候群の原因は、Phosphomannomutase2であるとする結果と矛盾する.この原因を探るため、ヨーロッパの症例の線維芽細胞に標識マンノースを投与するとマンノース6燐酸とマンノース1燐酸の間にブロックを認めた.日本の症例とヨーロッパの症例は遺伝的に異なる可能性がある.
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