研究課題/領域番号 |
08670889
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
田中 弘之 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (80231413)
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研究分担者 |
鎌田 政博 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (30233927)
小田 慈 岡山大学, 医学部・附属病院, 講師 (50160875)
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キーワード | パ-フュージョン培養法 / LTBMC / HHV 6 / HHV 7 |
研究概要 |
目的:骨髄移植を安全に施行するためには充分な造血幹細胞の確保が必須である。造血幹細胞を充分量得るためには、造血幹細胞を培養する技術の開発を必要とする。本研究の目的は 移植に必要な造血幹細胞を得るための培養技術としてパ-フュージョン培養法を確立することにある。このために、long-term bone marrow cuture-initiating cell (LTBMC)からフローサイトメトリーを用いて、造血幹細胞の表面マーカーであるCD34を発現している分画を選択して、より未熟な前駆細胞をとりだし、この細胞を用いて造血幹細胞が単一細胞レベルで如何なる微小環境を必要として分化増殖していくのか検討を加える。さらに 造血幹細胞のin vivoにおける阻害因子の解明と阻害機序を明かにし 造血幹細胞増殖の至適環境を明らかにする。この目的のために、骨髄移植時に問題であるHHV6およびHHV7感染の造血幹細胞増殖抑制の機序を明らかにするため、臍帯血よりCD34陽性細胞コロニーを作成し各ウイルスの感染実験を行った。 方法:1)臍帯血から単核球を分離、ロゼット形成法によってT細胞を除去し、HHV6及び7を所定のMOIで接種した。2)メチルセルロース法で造血幹細胞を培養後、CFU-GM,BFU-Eのコロニー数を算出し、Mock感染細胞のコロニー数を基準として比較した。 結果:HHV6感染細胞群ではMOI依存性にCFU-GM、BFU-Eコロニー形成能が抑制された。これに対して、HHV7感染においてコロニー形成能には全く変化は認められなかった。さらに、HHV6感染では、PCR法、in situ hybridization法で各コロニー構成細胞内にHHV6ゲノムが確認できた。 これらのことよりHHV6は直接前駆細胞に感染し 細胞増殖を抑制するものと考えられる。
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