研究概要 |
骨髄移植に必要な造血細胞を効率よく収集するためにパ-フュージョン培養法を確立することを目的に造血幹細胞のIn vitroでの至適増殖環境を検索するとともに、臨床上問題となる各種ウイルス感染症の代表としてHHV-6の造血に及ぼす機構を検討した。 昨年度までに、我々は臍帯血より分離した造血幹細胞を用いた培養系で、HHV-6が直接赤芽球/顆粒球・マクロファージ前駆細胞の増殖を制御することを明らかにしてきた。しかし、HHV-6感染症である突発性発疹患児では時に血小板減少が見られることや特発性血小板減少性紫斑病の合併の報告もあることから、巨核球系の増殖能に対する検討が必要であることや骨髄移植の臨床上血小板回復の遅延がしばしば問題になることから、巨核球系造血幹細胞(CFU-Meg)の培養を試み至適条件の検討を行った。 各種培養条件を検討した結果、1%methylcellulose,30%FBS,50ng/mlTPO,2mMl-glutamine,10-4M2-MEの条件で臍帯血中の単核球を培養した場合、10-12日にCFU-Megの特徴を有する透明なコロニーの形成を最も効率よく認めることができた。この形成されたコロニーは大部分がCD41陽性を示しCFU-Megであることが確認されたが、一部に陰性のCFU-M/GMも確認された。現在、HHV-6をはじめとするウイルスと巨核球前駆細胞との相互作用の検討を進めている
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