研究課題/領域番号 |
08670903
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
横田 俊平 横浜市立大学, 医学部・附属病院, 講師 (10158363)
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研究分担者 |
満田 年宏 横浜市立大学, 医学部・附属病院, 助手 (00264672)
相原 雄幸 横浜市立大学, 医学部・附属病院, 講師 (50211686)
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キーワード | 若年性関節リウマチ / 血球貧食症候群 / M-CSF / TNFα / サイクロスポリン / 血漿交感療法 |
研究概要 |
若年性関節リウマチ全身型(sJRA)の経過中に骨髄、肝において血球貧食像を呈しながら多臓器不全、DICに至る病態が認識されつつある。この研究期間中に私たちは同患児3症例を経験し、血液学的、細胞学的また免疫学的検索を行い、本病態がT細胞の異常活性化により種々のサイトカインとくにM-CSFの過剰産生が原因となり、ついでにこのM-CSFによりマクロファージ異常活性化が惹起されproinflammatory cytokinesが過剰に産生され、IL-1,IL-6等により弛張熱が、またTNFαにより細胞内ミトコンドリア障害による細胞死が起こることを明らかにした。Stephanらはすでにこのような病態に至る疾患を「マクロファージ活性化症候群」と命名したが、今回私たちが明らかにした知見も合わせて、病態理解から予後不良である本症の治療を確立することができた。すなわち、異常活性化T細胞に対してサイトカイン産生細胞内シグナルを抑制するcyclosporine Aを、また異常活性化マクロファージを抑制するリポ化ステロイドを、血漿中に異常高値となっている諸サイトカインの除去を目的として血漿交感を、可及的に実施することで、3症例との数日の内に治癒した。今後動物モデルを作成し、T細胞が異常活性化に至る過程を検証したい。
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