研究課題/領域番号 |
08670918
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
高橋 勇二 東京薬科大学, 生命科学部, 助教授 (20154875)
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研究分担者 |
三浦 卓 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (70013323)
高橋 滋 東京薬科大学, 生命科学部, 助手 (10266900)
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キーワード | hypoxia / Reoxygenation / prolyl 4-hydroxylase / phosphoglycerate mutase / lysyl hydroxylase |
研究概要 |
本プロジェクトの目的は、ラットの新生仔、あるいは、胎仔の肺から分離した間質細胞と上皮細胞を異なった酵素環境下で培養し、発現量が変動する遺伝子、とくに、転写因子を検索することにある。 Differential Display法を用いて低酸素応答性遺伝子を検索し、prolyl4-hydroxylase mRNA量の増加を見出した。さらに、Run-onアッセイ法による検討から転写速度の増加が明らかとなった。また、タンパク質量の増加が見出された。次ぎに、ラット胎仔および新生仔肺からRNAを調製し、prolyl4-hydroxylase mRNA量の変化を検討した。prolyl4-hydroxylaseのmRNA量は妊娠後期の胎齢20日かた22日に胎齢18日のおおよそ10倍に増加した。出生12時間後には、胎齢18日のレベルまで低下した。これらのことは、出生に伴う酸素濃度の急上昇がprolyl4-hydroxylaseの発現レベルを抑制していることを示唆している。 プロコラーゲンの水酸化酵素として、lysyl hydroxylaseの存在が知られている。酵素環境がlysyl hydroxylaseの転写レベルを制御する因子のひとつであることを考え、その影響を検討した。培養酸素濃度を20%から0%に変え、3〜24時間培養を続けた。lysyl hydroxylaseのmRNA量は低酸素培養16時間後に、常圧酸素培養時の3倍に増加した。 以上の結果は、酸素濃度はプロコラーゲンの水酸化を行う酵素遺伝子の転写量を制御する重要な因子の一つであることを示している。今後、出生に伴う、両酵素発現量の変化とコラーゲン代謝の関連をさらに検討する予定である。
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