研究課題/領域番号 |
08670932
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | (財)東京都臨床医学総合研究所 |
研究代表者 |
桜庭 均 財団法人 東京都臨床医学総合研究所, 臨床遺伝学研究部門, 研究員 (60114493)
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研究分担者 |
加瀬 良一 財団法人 東京都臨床医学総合研究所, 臨床遺伝学研究部門, 研究員 (20150203)
新本 美智枝 財団法人 東京都臨床医学総合研究所, 臨床遺伝学研究部門, 研究員 (20216237)
伊藤 孝司 財団法人 東京都臨床医学総合研究所, 臨床遺伝学研究部門, 研究員 (00184656)
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キーワード | ファブリー病 / α-ガラクトシダーゼ / バキュロウイルス / メタノール資化酵母 / X線結晶構造解析 / サポシン / 遺伝子解析 / SSCP |
研究概要 |
1.ファブリー病は、α-ガラクトシダーゼの活性低下により、全身に基質グロボトリアオシルセラミドが蓄積する遺伝病である。この疾患の分子レベルでの病態を解明し、治療法を開発するため、当該酵素蛋白質の分子レベルでの性状解析を試みた。まず、バキュロウイルス昆虫細胞系で発現させたヒトα-ガラクトシダーゼの結晶化を目指したが、本酵素の糖蛋白質であり、糖鎖の異質性の影響が大きいと考えられた。そこで、発現産物をα-マンノシダーゼ処理し、糖鎖の不均一性を減少させた標品を作製して、その結晶化を行った。得られた結晶は12面体で、その長稜は350μm、短稜は200μmであった。この結晶を用いてX線結晶構造解析を行った所、3の分解能の反射が得られた。 2.X線結晶構造解析のみならず、酵素補充療法の開発を行うためには、生産性の高い発現系の確立が必要となる。そこで、メタノール資化酵母によるα-ガラクトシダーゼの大量発現系を作製した。その発現効率は培地1l当たり約10〜20mgであり、得られた酵素は、天然の酵素と同様にシグナル配列部分が除去されていた。 3.α-ガラクトシダーゼは、細胞中で基質と出会い酵素活性を発揮するために活性化蛋白質を必要とする。我々は、人工的リポソームの系を利用して、一群の活性化蛋白質のうち、サポシンBのみがバキュロウイルス昆虫細胞で発現させたヒトα-ガラクトシダーゼを活性化することを示した。 4.ファブリー病の病因となるα-ガラクトシダーゼ遺伝子上の変異をスクリーニングするために、非放射性のPOR/SSCPの系を作製いた。この系の利用により、多くの新しい遺伝子変異が発見された。
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