研究課題/領域番号 |
08670935
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所 |
研究代表者 |
慶野 宏臣 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 周生期学部, 室長 (30090426)
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研究分担者 |
尾関 順子 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 周生期学部, 助手
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キーワード | ビリルビン / プルキンエ細胞 / 糖タンパク質 / ポルフィリン / neuroglycan C / レクチン / リソソーム / ラジカル |
研究概要 |
高ビリルビン血症発症機構解明のために炭素鎖に放射能活性を持つビリルビンの生合成を行った。SDラットを使い胆汁を体外へ誘導する手術を行った後、^<14>C-Glyを投与し、放射能活性のある胆汁を継続的に5日間に渡って得ることができた。現在胆汁からのビリルビンを精製を進めている。ビリルビン排泄酵素であるBRUGT遺伝子については、Gilbert's症を中心に遺伝子解析を続けている。「遺伝子治療開発研究ハンドブック」へGunnラットを使った解析およびCrigler-Najjar症やGilbert's症の遺伝子診断について記載することとなった。ラット脳からParcollを使ってリソソームを精製しSnPPによる光増感作用の解析に用いた。ミトコンドリア共存下と比較すると、精製したリソソームからは、きわめて低い濃度のSnPPによってリソソーム内酵素が漏出することを確認した。さらに、ミトコンドリアからチトクロームが漏出する可能性を示唆する結果が得られた。培養顆粒細胞でラジカルやcytosine alabinofulanosideなどによってアポトーシスが起きるのはミトコンドリアからチトクローム漏出することが原因であるとされている。SnPP投与されたラットでは、光照射されると神経細胞の壊死脱落が起こることをすでに報告しているが、それはSnPPの光増感作用によりアポトーシスが起こったことによる可能性が高い。 ビリルビン性小脳障害発現過程の解析には、ビリルビン標的細胞であるプルキンエ細胞に的をしぼった。発育過程におけるプルキンエ細胞の持つ糖質の変化をレクチン組織化学的に検討し、その結果を報告した。現在は、プルキンエ細胞の連絡相手である顆粒細胞と登上繊維について神経回路網形成過程に発現する糖タンパク質についてを検討中である。特に我々の学部で発見したneuroglycan Cに注目している。 Neuroglycan Cはプルキンエ細胞と登上繊維とのシナプス部分に多いことを光学顕微鏡で確かめ、透過型電子顕微鏡で確認中である。Neuroglycan Cについては多くの人と協力し、遺伝子の染色体上での位置確認、ヒトでのゲノム解析、コアタンパク質のリン酸化と機能分析そしてtransgenic mouseの開発まで幅広い解析を行っている。
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