研究課題/領域番号 |
08670947
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
築藤 玲子 千葉大学, 医学部付属病院, 講師 (70218048)
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研究分担者 |
旗持 淳 千葉大学, 医学部, 助教授 (90172923)
新海 浤 千葉大学, 医学部, 教授 (90030957)
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キーワード | 皮膚悪性腫瘍 / 細胞外マトリックス / マトリックスメタロプロテアーゼ / 日光角化症 / ムコ多糖 |
研究概要 |
1、我々は、腫瘍間質に多量に産生されているムコ多糖をchondroitin ABClyase で消化することにより安定した、明瞭なin situ hybridization シグナルが得られることを見い出した。 (Histochemical Journal,1997) 2、基底細胞癌では、MMP-1、MMP-2、MMP-3は、共に腫瘍間質の線維芽細胞様細胞に検出されたが、腫瘍細胞には検出されなかった。 3、有棘細胞癌では、MMP-1とMMP-3は、腫瘍と間質の細胞の両者に検出されたが、MMP-2は間質の細胞にのみ検出された。 4、表在型の基底細胞癌ではMMPsのmRNAは検出されないのに対して、有棘細胞癌では早期から、一部のものは日光角化症という前癌状態にも検出された。 6、MMP-3はMMP-1が多量に発現している組織に検出されておりMMP-3とMMP-1の遺伝子発現に何らかの相関が示唆された。MMP-2とMMP-1の間には、相関は見られなかった。 (以上第95回日本皮膚科学会、第21回日本研究皮膚科学会、第28回日本結合織学会発表) 5、有棘細胞癌を伴う日光角化症では非常に高率(80%)にMMP-1が検出され、MMP-1が発現している日光角化症は、より進んだ段階にあると考えられた。メタロチオネインは日光角化症の表皮細胞、真皮の細胞に過剰発現していた。メタロチオネインはMMP-1を活性化するというデータを得ており(第22回日本研究皮膚科学会発表)、現在詳しく検討中である。 7、以上癌の浸潤に伴って発現してくるMMPsには各々特徴があり、癌浸潤において各々のMMPsは異なった役割を果たしていると考えられる。
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