研究概要 |
培養ヒト表皮細胞におけるPPAR(peroxisome-proliferator activated receptor)の発現を,培地中のカルシウム濃度と細胞密度を変化させることで表皮細胞の分化度を変化させて検討した.Subconfluentで,カルシウム0.15mMと1.5mM,confluentで,カルシウム0.15mM,1.0mM,1.5mMのいずれにおいてもPPARmRNAの高い発現が,RT-PCR法によって確認できたが,confluent,カルシウム0.5mMでは,PPARの発現がわずかであったので,現在,再現性を検討中である.また,より定量的なデータにするべく検討中である. また,ケラチンの変異が原因であることが判明しているEpidermolyticなタイプの掌蹠角化症と水疱型の先天性魚鱗癬様紅皮症について,当科フォロー中の個々の患者についてゲノム解析を行った.Epidermolyticなタイプの掌蹠角化症の1例において,ケラチン9番の1A領域の15番目のアミノ酸のロイシンがセリンに置換されているのが認められた.また,水疱型の先天性魚鱗癬様紅皮症の1例において,ケラチン10番のやはり1A領域の10番目のアミノ酸のアルギニンが変異を起こしていることを確認できた.現在,この2症例については,論文を準備中である.
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