研究概要 |
RARαのdominant negativeな変異体をトランスジェニックマウスの皮膚に発現させると出生直後に赤く光沢ある皮膚を持つマウスが生まれ、また、このマウスの皮膚の角質細胞間のmultilamellar構造の形成が阻害されることが知られていたが、さらに検討を重ねた結果、このマウスの皮膚の角質の脂質組成は、正常マウスに比して、リン脂質に富むことが判明し、phospholipase活性が低下していることが示唆された。 フェルネル型掌蹠角化症の男性例において、ケラチン9番遺伝子の1A領域に点突然変異が見られ、一方の鎖において167番目のロイシンがセリンに置換されていることが判明した。また、水疱型先天性魚鱗癬紅皮症の女性例において、ケラチン10番遺伝子の1A領域のN末より10番目のアミノ酸であるアルギニンが、一方のalleleにおいてヒスチジンに置換されていることが判明した。 家族性乳癌の原因遺伝子の1つであるBRCAlの遺伝子産物に対する抗体の1つが、平滑筋細胞を特異的に認識することを明らかにした。また、乳房外Paget病細胞におけるerbB4とprogesterone受容体の発現を抗erbB4抗体、抗progesterone受容体抗体を用いて検討した。核内転写因子の1つであるperoxisome proliferator activated receptor(PPAR)の培養ヒト表皮細胞における発現をRT-PCR法を用いて検討した。subconfluent,confluentいずれにおいても、また、培地のカルシウム濃度の高低にかかわらず、PPARのmRNAが検出された。
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