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1996 年度 実績報告書

若禿げ部毛包毛乳頭細胞と毛包上皮膚細胞の相互作用に及ぼす男性ホルモンの影響

研究課題

研究課題/領域番号 08670969
研究機関徳島大学

研究代表者

荒瀬 誠治  徳島大学, 医学部, 教授 (90108887)

研究分担者 大浦 一  徳島大学, 医学部, 助手 (20284284)
キーワード毛包細胞 / 脂腺細胞培養 / 男性ホルモン依存性 / 甲状腺ホルモン / 標的細胞 / chemotaxisis / 同時培養 / chemoatractant分泌
研究概要

我々は既にヒト毛包を構成するほとんどの細胞の分散培養に成功たが、脂腺細胞の培養だけは、純粋な脂腺組織を得ることが難しかったため成功していなかった。今回、切除表皮をヂスパーゼで処理した皮膚より、顕微鏡下に純粋な脂腺組織を多数得ることができ、トリプシン処理、KGMメジウムで培養することで、純粋な脂腺細胞の分散培養に世界に先駆けて成功した。本細胞は6回以上継代が可能である。この細胞の皮脂分泌は男性ホルモンで促進され、ホルモン依存性の性格を有していた。本細胞を使うことで、ヒト毛包脂腺の研究が進むであろう。
今までヒト毛包構成細胞が甲状腺ホルモン(T3)の標的細胞かどうかは分かっていなかった。我々は抗甲状腺ホルモンレセプター抗体をヒト毛包に作用させたところ、全てのヒト毛包構成細胞の核と反応した。すなわちヒト毛包構成細胞はT3の標的細胞であることが判明した。またT3は培養毛包細胞の増殖を制御しており、その濃度が血中レベルより高くとも、また低くとも培養毛包細胞の増殖を抑制することもはっきりし、この事は、甲状腺ホルモン亢進症、低下症の両者で、毛髪が粗になることを旨く説明する
今まで角化細胞のchemotaxisisを調べることはできなかったが、角化細胞より少し小さな穴を持つ特殊フィルターを底にもつculture insertを用い、その表面に毛包細胞を、シャーレ内に毛乳頭細胞をまいて同時培養を行うと、毛包細胞は穴を通って毛乳頭細胞側に引かれることがはっきりした。毛乳頭細胞が何等かのchemoatractantを分泌していることを実証した。現在ハゲ部由来の毛乳頭細胞の分泌するchemoatractantについて研究を進めている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Fujie T,Arase S,et al: "Culture of cells derived from sebaseous gland under serum free condi-tions with out a buological feeder layer or specific matrices." Arch Dermatol Res.288・11. 703-708 (1996)

  • [文献書誌] Nameda Y,Arase S.et al: "Endotoxin-induced L-arginine path-way produces nitric oxide and modul-ates the C a-activated K channel in cultured human dermal papilla cells" J Invest Dermatol. 106・2. 342-345 (1996)

  • [文献書誌] Kato S,Arase S,et al: "Prolonged nuclear accumulation of P53 in xeroderma pigmentosum comple-mentation A cells after ultraviolet irradiation" Arch Dermatol Res.288・2. 249-251 (1996)

  • [文献書誌] Ahsan KM.Arase S.et al: "Immunohistochemical localization of thyroid hormone nuclear receptors in human hair follicles:in vitro effect of L-triiodothyronine on cultured cells of hair follicle origin" Bri J Dermatol. (in press). (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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