1.ダリエ病遺伝子局在部位の狭小化:さらに新しい多形DNAマーカーと新しい本疾患家系を用いてハプロタイプ解析を行い、遺伝子局在部位をDNAマーカーD12S1328Dと12S1616の間の約2メガベースの範囲に狭小した。2.邦人家系の解析:邦人家系でも同部位に連鎖がみられた。3.候補遺伝子の検索:(1)プロテインフォスファターゼ1γ遺伝子(PPP1CC)がコンティグのほぼ中央に存在する事が判明しているが、そのエクソン-イントロン境界部の塩基配列を決定、それをもとに各エクソンを特異的に増幅するプライマーをデザインし、single strand comformation polymorphism(SSCP)により本疾患患者におけるPPP1CCの変異の有無について検討した。その結果、数家系を検討したが、現在のところ変異はみられていない。さらに症例を追加し、変異の有無の検討が必要である。(2)その他の候補遺伝子の同定:遺伝子局在部位をカバーするコンティグ上のいくつかのクローンよりエクソントラッピング法でいくつかのcDNA断片を得た。現在それらcDNAが表皮に表現されているか、もし表現されていれば全長cDNAを同定しているところである。4.微少DNA欠失の検出:26の家系の患者からパルスフィールドゲル電気泳動用DNAを調整し、パルスフィールドゲル電気泳動で患者DNAを展開(+)コンティグ上の幾つかのプローブとハイブリダイズし、患者ゲノム微少欠失の有無を検討中である。すでにコンティグ上の4つのクローンの両端の8つのプローブを用いて検討を行っているが、未だgenomic rearrangementを推測させる所見は得られていない。さらにプローブを増やして検討を行う必要がある。
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