研究概要 |
ダリエ病の白人家計の連鎖解析により、疾患遺伝子はch12q23-24.1にマップされた。今回の研究では、邦人家系でも同部位に連鎖がみられた。さらに同遺伝子はDNAマーカーD12S1328Dと12S1616の間の約2メガベースの範囲に限局された。また中心のコンティグは我々の共同研究者(Pulst et al : Nature Genetics, 14 : 269, 1996)が、そのセントロメアとテロメア側のコンティグを我々が作成した。加えて大まかな制限酵素地図を作成した。本疾患の候補遺伝子としてコンティグのほぼ中央に存在するプロテインフォスファターゼ1γ遺伝子(PPP1CC)があるが、そのエクソン-イントロン境界部の塩基配列を決定、それをもとに各エクソンを特異的に増幅するプライマーをデザインし、signal strand comformation polymorphism (SSCP)により患者におけるPPP1CCの変異の有無について検討した。その結果、数家系を検討したが、現在のところ変異はみられていない。さらに症例を追加し、変異の有無の検討が必要である。またその他の候補遺伝子の同定のため、コンティグ上のいくつかのクローンよりエクソントラッピング法でいくつかのcDNA断片を得ている。現在それらcDNAについて検討中である。更に26の家系の患者からパルスフィールドゲル電気泳動用DNAを調整し、その電気泳動で患者DNAを展開+コンティグ上の幾つかのプローブとハイブリダイズし、患者ゲノム微少欠失の有無を検討中である。すでにいくつかのプローブを用いて検討を行っているが、未だ有為な所見は得られていない。さらに新しいプローブを用いて検討を行う必要がある。
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