研究概要 |
研究代表者は米国ユタ大学のDavid H.Viskochilのグループと共同で,NF1遺伝子研究を行っている.NF1遺伝子変異の検索法としては,exon-by-exonでpolymerase chain reaction(PCR)法を行い,さらに21M13,M13RP1ユニバーサルプライマーを利用して,size-shift assay,singl strand conformation polymorphism(SSCP)法,magnetic beadsを利用したdirect sequence法といった手技を用いている.我々は,20名のNF1患者の末梢血白血球分画より抽出したconstitutional DNAを被験対象に,上記手法を用いてNF1遺伝子の60エクソン全てを解析した.この検索では4例のsmall insertion or deletion,4例のsplice mutation,2例のnonsence mutation,ならびに1例のamino acid substitution合計11例のNF1遺伝子変異を検出している(澤田俊一 他,皮膚科の臨床 Vol.39,1103-1108,1997).また,NF1遺伝子のsomatic mutationについて,我々は1例のNF1患者の神経線維腫より抽出したDNAを被験対象に上記方法を用いて変異の検索を行い,4bpのsmall deletionであるsomatic mutationを検出している(Shunichi Sawada et al.,Nature Genetics;Vol.14,p110-112,1996).さらに,NF1遺伝子のbig deletion検出のため,MSーPCR法,FISH法を用いて解析している(第97回日本皮膚科学会総会,大阪,5/29-31,1998で発売予定).
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