研究概要 |
骨髄性プロトポルフィリア患者の血液を採取し,リンパ球を分離後,EVウイルスを感染させ,Lymphoblastoid cell lineを作成し,継代培養中である.また,個々の症例について,赤血球ポルフィリン値spectrofluorometerで,フェロケターゼ酵素活性をHPLCで測定し,それぞれの値と,日光過敏の発生時期と程度などの情報を収集し,蓄積中である.得られたLymphoblastoid cell lineよりmRNAを抽出し,シークエンス解析に必要なDNA量を得るためにPCRを行っているが,塩基配列にGCrichな部分が多く,従来の条件では,良い成積の得られないサンプルもあり,cDNAを4分割したプライマーを作成し,現在比較的安定した結果が得られるようになった.得られたcDNAに関しては,適宜,シークエンス解析を行い,G256A(Gly89Ser)mutationの決定を手始めに自分の症例を蓄積するとともに,他の報告例C691T(Arg231Try)mutation,Exson 6 skippingなどについても症例ごとに検討を重ねている.また,allele specific oligomer assay,mutationと臨床上の重症度との相関,さらにMutat cDNAをChinese hamster ovary cellで発現させ,mutationの部位とフェロケターゼ酵素活性の相関を検討しているが,いまだ症例数が少なく結論には至っていない.
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