研究概要 |
骨髄性プロトポルフィリア患者の血液を採取し,リンパ球を分離後,EVウイルスを感染させ,Lymphoblastoid cell lineを作成し,継代培養中である.また,個々の症例について,赤血球ポルフィリン値spectrofluorometerで,フェロケターゼ酵素活性をHPLCで測定し,それぞれの値と,日光過敏の発生時期と程度などの情報を集め,後の統計学的解析にそなえて,コンピューターを用いたデーターベースを構築中である. 得られたLymphoblastoid cell lineよりmRNAを抽出し,シークエンス解析に必要なDNA量を得るためにPCRを行っている.得られたcDNAに関しては,適宜,シークエンス解析中である。今後、allele specific oligomer assay, mutationと臨床上の重症度との相関,さらにMutat cDNAをChinese hamster ovary cellで発現させ,mutationの部位とフェロケターゼ酵素活性の相関を検討していく予定である.まだ十分なデータが得られず,結論には至っていない.また,最近の報告例に関してもSite-directed mutagenesisによりmutantDNAを作成し,三次元構造における[2F-2S]clusterにも検討を加えたい. また,AIDS患者におけるC型肝炎ウイルスと血清ポルフィリン値の関連性,ポルフィリン症の治療として,Soluble complement receptor type 1の有効性の検討,遺伝性コプロポルフィリンの患者の遺伝子を解析する機会を得たので論文とした.
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