研究課題/領域番号 |
08671001
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
岩田 錬 東北大学, サイクロトロンRIセンター, 助教授 (60143038)
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研究分担者 |
多田 雅夫 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (10006083)
井戸 達雄 東北大学, サイクロトロンRIセンター, 教授 (80134063)
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キーワード | PET / フッ素イオン / 塩化フルオロアセチル / ポジトロン放出核種 / 放射性薬剤 / F-18 / 標識前駆体 |
研究概要 |
^<18>F-標識放射性薬剤を合成する上で重要な前駆体である^<18>F-標識塩化フルオロアセチルの簡便な合成法を開発する目的で、そのオンカラム的な合成法の開発を行った。 内径2mm、長さ2cmのステンレス製カラムに^<18>F-標識置換反応の触媒的作用をするベンジルートリブチルホスホニューム樹脂を重填し、^<18>O-濃縮水を用いて製造された^<18>F-イオンを樹脂の陰イオン交換作用によりほぼ定量的に補集した。このカラムをよく乾燥したアセトニトリル(MeCN)で十分に洗って水分を除き、加熱した。これに反応基質であるエチルO-トシルアセテートを溶かした無水のMeCNをHPLCポンプを用いて一定の流速で通して反応を行った。この時の温度、用いる反応基質量、流速と、得られた^<18>F-標識エチルフルオロアセテートの収率との関係を求め、その最適反応条件を求めた。反応温度80°、基質量12mg/2mL MeCN、流速0.4mL/minで80%以上の高い放射化学的収率が得られた。 次に、この^<18>F-標識エチルフルオロアセテートを直接に酸の塩化物に変換するため、種々の塩素化剤を比較検討した。ジクロロトリフェニルホスホラン、ピロカテキルホスホ三塩化物、塩基性イオン交換樹脂に吸着させた五塩化リン、の3種の塩素化剤と^<18>F-標識エチルフルオロアセテートを反応させ、目的物である^<18>F-標識塩化フルオロアセチルを蒸留し、ピリジン中に補集した。バッチ的な手法による放射化学的収率は、ピロカテキルホスホ三塩化物を用いた場合約60%であった。反応溶媒及び反応温度についてさらなる検討が必要であるが、この塩素化剤を樹脂に固定化し連続的な^<18>F-イオンからの^<18>F-標識塩化フルオロアセチルのオンカラム合成法として開発可能であることを本研究で明らかにすることができた。
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