研究概要 |
現在までに,血管造影で椎骨・脳底動脈解離と診断できる症例を23例集積した.今年度の目標症例20例を越えており,現在その臨床所見,MRI所見を解析中である. 検討前の予想に反し,3次元MRIの所見にはfalse positiveが多いという途中結果がでている.また,MRI所見から動脈解離が疑われても,臨床所見が軽微な場合血管造影が行われず,結果がでない症例が多い.血管造影が行われたとしても,患者の説得に時間がかかってしまうために,発症直後ではなくしばらく時間が経過してから血管造影が行われる症例も多い.椎骨・脳底動脈解離では時間とともに異常所見が改善するので,そのような場合には異常所見が消失している可能性が考えられる.画像所見の判定に際しては,時間経過と所見の変化を正確に対応させる必要があり,現在作業を進めている. 平成9年度に計画しているprospective studyを円滑に進めるためには,上記の結果を踏まえて,対象として所見出現率の高い疾患や症状に絞る必要があると同様に,被験者に無理のないプロトコールを決める必要があり,現在所見解析と合わせて検討中である.
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