研究概要 |
平成8年度は,生検穿刺針ならびにカテーテルの研究開発をした.磁化率の低いカテーテルや穿刺針の先端に磁化率の高いニッケルなどを蒸着することにより,全体としては磁化率アーチファクトの少ない画像が得られ,しかも先端が容易に無信号野として確認できることがわかった.平成9年度は,これらの穿刺針やカテーテルを生犬に繰り返し使用してその安全性と有効性を検討した結果,十分に安全性と有効性が高いことを確認した.平成10年度には,インフォームドコンセントを得た患者に対し,実際にMRIガイドによる穿刺生検と血管造影を試みた(別刷2).MRI以外の画像診断法によっては病変が不明瞭であったり,骨などに邪魔されて良好な穿刺方向が得られないため穿刺生検を施行できなかった症例でも,MRIガイドによる穿刺生検が可能で臨床的有用性は極めて高かった.安全性も高く問題はなかった.血管造影も可能であったが,開放型装置が低磁場であり時間分解能が低くreal-timeのモニタリングがまだ不可能なため,X線透視に比べ手技的にはやや劣りこれからの課題を残した.
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