研究課題/領域番号 |
08671027
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小野 公二 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (90122407)
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研究分担者 |
木梨 友子 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (80252534)
増永 慎一郎 京都大学, 原子炉実験所, 助教授 (80238914)
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キーワード | 細胞生存率 / Etanidazole / Misonidazole / KU-2285 / RP-170 / コロニーアッセイ |
研究概要 |
臨床で用いられている一回線量(1-3Gy)照射に対する固形腫瘍の反応を研究することは、臨床研究の確かな基礎となるデータを得る上で重要である。しかし、小線量の殺細胞効果は小さいため、これを正確に評価する適当な手法は確立されていなかった。そこで、我々はコロニーを形成させる培養皿上の細胞位置をマイクロコンピューターに記憶させ、その位置にはたしてコロニーが形成されるかどうかを調べる手法を用いてこの問題を解決する可能性を検索した。この方法で1-3Gyの放射線照射に対するSCCVII腫瘍(マウスに移植され、成長した)の反応を調べた。細胞生存率は線量の増加と共に低下し、1-3Gy照射に対する固形腫瘍と培養細胞の放射線感受性を調べると後者のそれが有意に高かった。次ぎに高線量照射時には同程度の増感効果を示す事が既に報告されている4種の低酸素細胞増感剤の効果を検討した。100mg/kg投与の場合、Etanidazole、KU-2285は腫瘍を増感しなかった。Misonidazoleは3Gyでのみ効果を示したが有意ではなかった(p=0.1)。RP-170は2Gyでも3Gyでも効果を示し、3Gyの効果は有意であった(p<0.05)。200mg/kg投与の場合、Etanidazole、Misonidazoleは共に放射線照射単独よりも低い生存率を示したが有意ではなかった。KU-2285とRP-170は共に有意な増感効果(0.01<p<0.05、P<0.005)を示したが、効果はRP-170の方が大きかった。低線量照射時の併用効果と高線量照射時の併用効果は必ずしも相関しないことが本法によって明確に示され、臨床の実際の線量分割に即した増感効果の研究に有用であることが明らかになった。
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